出勤中のAからのメールで夏至であることに気づく。ヨハネの季節。
「魂のこよみ」。立ち上がって手に取り、めくってみた。
ヨハネの季節は次週か。
シュタイナーは苦手だけど、なんどもワークで動いてきたテキストだ。
俺、これ好きなのか?こういうのわかるの?という気もするが。
この自粛の2か月半のあいだ、俺はトコトン何もしなかった。
見た映画ゼロ本。読んだ本はじゃりン子チエだけ。努力したヨガもゼロ。
ずーっとボンヤリしていた。ゴロゴロしていた。スマホを見ていた。見るものないのにインスタを見ていた。
そうしたら頭がおかしくなってきた。
何かをしていなくちゃいかんのだな、ということがとことん怠けたらよくわかった。
止まると腐る。少しばかりの向上心を捨ててはいけないのだ。
ついに読書をする気になり、やっと開いた図書館で予約した本を取ってきた。
「コトリップ」のイタリアと、山口瞳の「江分利満氏の優雅な生活」。
エブリマンはとても面白い。
気分がよくなってきて、ハイドシェックのヘンデルをかけた。
最高だ。
部屋に静けさが訪れ、俺の中身も静かになった。
どういうわけか、俺の中で長年かけて深く濃くなっていた霧が、これから霽れていくような、そんな気がした。
81日ぶりに小平から外へ出てみた。
ハイドシェックのヘンデルを探したらこんなのがあった。
このプレリュードはコンサートのアンコールで度々弾いてくれた。
本編よりも涙を誘うハイドシェックの十八番。
彼のコンサートをもう一度聴きたいなぁ。