☆家を建てる 10・ペンキを塗る



次は風呂。
木で出来た家だから、風呂場も木材の構造が出たままだ。
壁と天井は木。
濡れて腐ってしまうから木のままというわけにもいかない。
防水処理を業者がしてくれた。
これは透明なものだから木材が透けて見えている。
ここに色をつけるのだけど普通はグレーだそうだ。
ベランダとかにつかわれている感じのものだ。
グレーはちょっとね。
家全体が白だし、風呂場も白にしたい。
しかし、これが珍しいらしく随分とネがアガルことになる。
K先生が提案くださったのが、自分で塗る、ということ。
そうすればペンキ代だけ。
俺、塗ります。

昨日はK先生もいらして手伝ってくださった。
先生も白を塗るのは初めてで、硬化材の分量を図ったりしながら二人でなんとかやってみた。
なかなかいい感じ。


ペンキ塗りなんてあまりしないから緊張する。


一日開けて今日は2回目を塗りに。
昨日の固まり方が少し弱そうなので硬化材をちょっと多くする。
今日は一人で作業。
慣れたせいか早い。
そして少し跳ねた。
アカン。
すぐに擦ってみたが薄く残ってしまった。仕方ないか。。

塗り終わり、次は床のオスモにかかろうかとした時に気がついた。
ペンキを計るコップが倒れている。
敷いてある段ボールの裏を見てみた。
ビタァと付いている。
アカン!
やばいぞ、これは。
ぼろきれですぐにこすった。
取れない。
のびただけ!
落ち着け。
といっても早くしないと染み込んじまう。
アカン。
Aに叱られる。大工さんやK先生に見せられない。
しかし消えなければどうにもならない。
やばいわ。

すぐにK先生に電話をしてみた。
出ない。
どうすればいいんだ!
ペンキを取るならシンナーか。
ホームセンターにシンナー的なものはあるのか。。何しろ早く対処しないと。

思い出した。
先生と棟梁が話している内容に、除光液とかうすめ液とかいう言葉が出ていたな。

ダイソー行こう。

マニキュアのコーナー。
あった。うすめ液。
ふぅん、濃くなったマニキュアを薄めるものか。
よくわからんけど、試してみよう。


戻って拭いたらペンキは取れてくれた。
ホッ。
よかった~。

ほんとにホッとした。
暗くなっていた気持ちが元に還れた。

何も知らない素人はほんとに困ったことをするものだ。

もう一回は塗りに行く。
よっぽど気をつけて丁寧に作業しよう。
K先生は40年の設計士の仕事で一畳の風呂というのを初めてデザインしたそうだ。斬新な発想だ、とお気に入りのようだ。
俺もこの小さな風呂場の完成がとても楽しみだ。
失敗談もいい思い出になりますように。


残していたキッチン周りのオスモ塗りを丁寧に仕上げ、今日はおしまい。

日暮れが早い。


稽古に向かう。