公演があれば、母には必ずチケットを渡して観てもらう。
うちの母ほどオイリュトミーを見続けてきた人もなかなか少ないと思う。
シューレ以前の初級講座「ヒンビュス・クラス」の発表会から来てくれている。
4年間のシューレ時代の毎学期ごとの発表会からずっと。。
それ以降の様々な公演も全て観てくれている。
母のおかげで俺はオイリュトミーをやってこられたのだから、チケットは贈りたいのだ。
だけどいつも払おうとする。
おれは「いいんだよ。見に来ておくれ。」と強く言ってチケットを受け取ってもらう。
本番当日の出発には、
父の写真に頭を下げ、亡くした猫の名を呼び、「行ってきます」と言い、ブーツを履く。
舞台が終わると、出来のどうこうよりも、無事に終えられたことにホッとする。
そして家に行き母に会うといつも何かをくれるのだ。
これまでは酒だ。そして、俺が出ていた作品の感想を率直に一言添えてくれる。
酒を普段飲まなくなったので、先日は牛肉をくれた。
わお!
さあ、朝からいただこう。ビフテキ!
焼きすぎないように気を付けからね。やわらけえ。
ポテサラとエンドーまでいただいて、いつものレンソウ・キャベツといただきます。
うまい。うまい。と口いっぱいに頬張り大満足。
毎朝肉を食べるけどトリムネだもんなぁ。ありがたや。ビフテキ。
小さい頃に父に聞いたことがある。
「ビフテキって何?」
知らなかったのだ。
ステーキではなくて「ビフテキ」っていうのが美味そうだからそう呼んでいる。
父はスキヤキとも言わず「牛鍋」と呼んでいた。これもやはり美味そうだ。
作家の石川淳て人は、毎朝赤身のステーキが朝食だったそうだ。
更に、赤ワイン。
ボルドーはサンテミリオンを好んで朝からやったそうだ。毎日。
いい生活ですな。
俺は人参・レンソウ・キャベツでスムージー。真面目だ。