俺の母は四国で幼少期を過ごし、正月の雑煮は丸餅であんころ餅だったそうだ。
幼い俺はその話を聞き、あんころ餅の雑煮に憧れた。
うちの雑煮は角餅で汁はすましで三つ葉とゆず、子供向けの味ではなかった。
あんころ餅の雑煮をいつか食いたい、そう思ったままこの歳になった。
先日、母は叔母に会いにでかけた。その時に丸餅をふたつもらってきた。あんこが入っているやつだ。
それをうちにくれた。もらっていいのかい?
休みの火曜の朝を待ち、雑煮をしてみた。
にんじん、長芋、紫大根、そして丸いあんころ餅を焼いてから入れた。白みそ仕立て。
うまいわ。白みそと根菜というだけでうまいのに、あんころ餅が入っている。
一度食ってみたかったこの雑煮は想像とたがわないうれしいものだった。感謝。
布団を干すために窓を開けている間に俺は焙煎。モカシダモDECAF。
午前のうちに一度体をほぐす。一階に行きストーブをつけて一人で体をほぐす。
モーツァルトのピアノコンチェルトをかけた。リリ・クラウスの。
風が強く寒い日だけど、庭に出て少し整理をした。
アスパラの枯れた部分を切り、オリーブの枝の飛び出したのを切り、昼飯のパセリを採る。
菓子を焼いている妻にパスタの希望を聞くとカムット小麦のものと。
カムット小麦のパスタ。
有機いのなかぶ、大豆ミート、ケール、有機トマトピューレ、庭のイタリアンパセリ。
ばかうま。よく噛む。一口運ぶたびに箸を箸置きにおいて噛む。噛む。
Mさんが畑でとった小麦粉農林61号を分けてくれた。
綾さんがスコーンにしてくれた。ばかうま。コーヒーを淹れた。カフェインレスでもばかうま。
風が強いな。
夜は稽古だ。