なにも大げさなことはなく彼女は毎日ツラッとして通勤し日々を過ごしていた。
明けて四日目の朝。
梅流しをこさえる。
夜のうちにコブは浸けておいた。
大根を煮、梅干しを入れてしばらく火を入れる。
どうだい？おいしいかい？
空っぽの腹には一杯の汁と少々の大根おろしが染み渡るだろうな。
食べたらなんか食べたくなってきた。
ここで変なものを腹に入れないように食べるのが大切。
玄米クリームこさえようか？
西式甲田療法の玄米クリーム。
玄米粉一合に水四合でゆっくりと火を入れるだけ。
いろいろな味をつけながら食べた。
塩はもちろん、味醂とたまり醤油はみたらし団子みたいになるし、柚子胡椒なんて懐石料理かよという美味しさだ。醤油にすりごまもマチガイナイ。
うまいねぇ。
うちらにとっては三日間の断食は大きな影響は感じられなかった。もう少し長くないと効果がないのかな。
しかし気持ちの面ではいくつもの気づきをもたらしてくれるいいものだった。
綾さんもぬけた明るい顔をしている。
どういうテンポになるかはわからないがまた断食しようと思う。