☆家を建てる 5 「木箱212構法」



葛西潔建築設計事務所が開発した「木箱212構法」。
とても面白い家の作り方で、他にない画期的な家の建て方。
木造だが、軸組みという在来工法とはずいぶん違う。

柱を45.5センチ幅にズラッとならべて立てる。
この柱の材料が2×12材という木材だ。
この212材を同じ長さ、同じ間隔で南から北までずっと並べる。
この柱を梁で東西に結ぶ。
すると「門構え」がザーっと並ぶ。
門の周りに合板を貼る。
これで大体の構造ができる。箱。


以下HPより。

「木箱」について
「箱」という言葉を使ったのは、さまざまな生活が行われる住宅という空間は、
「ただの箱」でよいという思いからでした。
家族は年月を経るとともに、その志向や暮らし方が変わっていきます。
そこに住む家族の生活の可能性を限定しない、
あらゆる生活に対応できる空間を提供したいと考えています。

「木箱212構法」の開発
現代の都市部の宅地は小さいものが多く、住宅は奥行方向に対して間口が狭い傾向にあります。
このような宅地に建つ住宅において、採光・通気性を確保できる十分な開口と、
木構造の必要とする耐震性の両方を叶えるために、「木箱212構法」は開発されました。
規格部材の2×12材を利用し、組み立てた門型フレームを細かいピッチで並べ、
トンネル状の架構を形成します。
フレームの数を多くし、1個のフレームにかかる応力を小さくすることで
建物全体の耐震性を確保しています。
間口は門型フレームだけで持たせているため、間口の全面開口が可能です。
また、内部に構造要素を持たないことから、柱・梁のない開放的な空間をつくることができ、
間取りの変更が容易になりました。
2005年5月に特許を取得しました。




ジョイント部分
2×12材を柱と梁に利用し、門型フレームをつくります。
柱用の2×12材を梁用の2×12材で挟み、接触面の中心をボルトで留め、
ボルトの周りに片側ずつ計8本のラグスクリューで緊結します。



フレームを並べる
次に、組み立てた門型フレームを、455ミリピッチで並べていきます。
フレームの数を多くすることで、1個のフレームにかかる応力が小さくなります。
軸組完成
奥行方向に構造用合板を貼って耐震壁をつくり、耐震性を確保します。






というもので、
この工法による家を100棟作る、と建て続けてこられた葛西事務所の偉業。
うちで96棟目だそうだ。

「 木箱 96/100 学園東」の基礎が出来上がった。
たった9坪のかわいい家よ。
しかし、木箱の歴史の中でも前例のない基礎高130センチという代物はコンクリの塀になる。





この上に6メートルの柱が並ぶのだ。


材木が搬入された。
住宅地の道は狭い。家の前は5m道路だが、周りはもう少し狭い。
トラックに積み込んだ柱は6mだ。




懸念していた通り、このままでは曲がりきれないとのこと。



これなら車の長さだから大丈夫なのか。
木材を積載したトラックを運転するのは木箱社長ご自身なのだ。


朝、ヨガの前に現場に寄ってみた。
けっこうな量の木材が積まれた向こうで、大工さんたちが一服していた。
あと2便来るとのこと。
木箱社長は入間の作業場から一橋学園まで何往復したのだろう。
設計士ご自身が運転から交通誘導まで何でもやるそうだ。すごい!