暑くても、朝が晴れているのは嬉しい。
朝飯の後はコーヒーではなく緑茶にしている。茶は茶でうまい。
暑いのだけど、歩くという時間をもちたいのでヨガ部屋との往復は歩く。ゴム草履。
途中でセミを見た。
アスファルトに仰向けになってしまい、足を動かしているけど元に戻れないようだ。
そのうち自分でひっくり返って飛んでいくだろうと思い、通り過ぎた、けど気になった。
仰向けのまま踏まれたら可哀そうだ。
引き返し、飛べる態勢になおしてやり、また歩き始めた。
危機があっても自分で飛んで逃げられるだろう。。
けれど、どっかを痛くしていたら飛べないな。あいつは逃げる力を持っているのか?
あの位置だと車が通ればタイヤが通りそうだ。
また引き返した。つまんで植え込みに放ってやった。俺も自分の道を進んだ。
すぐに車がこちらへ曲がってきた。
あのままだったらきっと轢かれちまったんだろうな、と思った。
何年も土の中にいて、地上に生まれ出ても一週間で死んでしまう蝉と、何十年も生きてきた人間の例えば代議士の男の人生。このふたつの一生を比べて、どちらが尊いかをだれに決められるものだろうか?
というようなことを佐藤春夫が書いていた。「田園の憂鬱」。
この部分を何故か忘れずに覚えている。30年ほど前に読んだ本。