去年の12月15日にうちにピアノが来た。
コロナ自粛でオイリュトミーのワークショップが出来なくなり、個人ワークならうちで出来るかもというところから始まったピアノの話。
最初はグロッケンシュピールでいいよと言っていたのが、単音ではなく音階も欲しいねと鉄琴を探したり。。それが更にエスカレートしてピアノを買うことになった。
買う前はネットでいろいろ探したり、見学に行ったりしたのも楽しくいい思い出だ。
ドがどの鍵盤かも知らない俺が初めてピアノに触った。
初めて見る世界が目の前に広がり、とても楽しくなった。
生涯の趣味に出会ったようで嬉しくて毎日練習した。
とりあえずバイエルを全部やってみることにした。1番から始め今は92番あたりを練習している。
教本以外で練習してきたのは5曲。
バッハのメヌエット2曲、クリーガーのメヌエットとロンド、グラウプナーのブーレ。
秋になり、クラシックな気分になってきた。
ふと、高橋悠治さんとのリハーサルを思い出す。
悠治さんには珍しいフランク「フーガ」とフォーレ「ノクターン」が入ったプログラムだった。
「初めて弾くんだよね」と、どんどん弾き進めるのだが、どんどん間違える。しかし弾き違えてもまったく音楽が止まらない。音楽の力が途切れない。それどころか圧倒的な推進力で音楽衝動がつき進んでゆく。あんな音楽家はなかなかいない。あんなピアニストはどこにもいない。