謝明徳(チャマンタク)という人がいる。
若いころにこの人の本を読んで影響を受けた。「タオ性科学」という本だ。
性エネルギーの有益な使い方に関する内容なのだが、これは大きな成果につながる有意義なものだと感じ、以降ずっと俺の中にある。
タオというのは道教、老子の説いた世界だ。何がどうというはっきりしたものでもないので、とらえどころがなくも感じるが、長い歴史の中で語り継がれてきた。
マスター謝はタオの老子に学んだ理論とその実践法を体系立ててまとめ「ヒーリングタオ」と名付け、世界に広めた。
そのヒーリング法の一つに「チネイザン」というものがある。
「氣内臓」と書くのだが内臓マッサージのようなものだ。腹もみ。
俺は腹・肚というものを殊更重要視してきた。カールフリート・デュルクハイムや肥田春充の本にもずいぶん影響を受け、自分の体づくりの中で探求し続けている。
タイマッサージを学ぼうと思い始めたのと同時にチネイザンへの関心も高まった。
いや、チネイザンを知りたい、学びたいという思いの方が先で強かったかもしれない。
マスター謝の「氣内臓療法」という本もあるのだが俺は持っていない。買おうと思っても絶版で手が出ない。
しかたないから調べられる範囲で調べたり、ほかの腹按摩の本を読んだりした。
ヨガの中でも腹の話をするし、毎回腹按摩もする。この腹をもむというのはすごいですよ。
俺は冬になると足先が冷えてしもやけになる。去年は早くも10月にしもやけなってしまった。しかしそのころにしきりに腹もみをし始めたらシモヤケが治った。腹もみを続けたら一冬シモヤケが出なかった。血行がよくなったのだろう。
嘘だと思うでしょ。やってみてください。やり方なんて適当でよいですから、自分のお腹を手全体でもんでください。腹全体をやさしく深くたっぷり揉んでください。体が温かくなりますから。
今年の2月にタイマッサージを学ぶことを決めた。
と同時にチネイザンを学びたいという気持ちも強くなった。
マスター謝はチェンマイの奥の方にいる。
俺は7月の後半にチェンマイのWandee師の元に滞在することを決めた。そのあとで知ったのだが8月にはマスター謝本人自らがチネイザンを教える合宿を行うことを知った。
どうしよう。どうしよう。一回東京へ戻りふたたびチェンマイへ行こうか。。
いろいろ調べた。日本にあるタオワークの機関がそのチネイザンを学びに行くツアーをやっている。日本語の通訳があるのが魅力でzoom説明会に参加してみたりと逡巡した結果、今年はパスすることにした。
チネイザンは特殊なものだ。セラピスト経験のない俺にはきっとハードルが高く、早いだろう。まずはタイ古式マッサージをしっかり身に着けて一年くらいは研鑽・経験を積もう。
と決心し、今年のチネイザン講習はあきらめた。
夏にWandee師の元でタイ古式を学んで戻り、すぐに施術を始め、以前とは違う学びのある日々を送っている。
これでよかったと思っている。そしていつかチネイザンを学ぼうとチャンスをうかがっている。